※本記事は2026年10月時点の情報です。現場の話は、北海道で宅配の仕事をしているオッサン一人の実感で、特定の会社のクマ対策の運用を書いたものではありません。ヒグマの出没情報は、市町村や北海道庁の最新の発表を確認してください。
どうもおはこんばんにちは!オッサンです。皆様、お仕事お疲れ様です!!
国が「配達の仕事でもクマに気をつけて」と言い出した。2026年10月7日、国土交通省が運送業界などに向けて、クマによる人身被害を防ぐための安全対策を周知してほしい、という文書を出した。

熊
ヒグマと配達。北海道で毎日配達しているオッサンには、ど真ん中の話だ。
なのに、正直に書く。オッサンは配達中に、クマのことが頭をよぎったことがない。クマを見たこともない。
ただ、5年前の2021年には、札幌市東区の住宅街にヒグマが出て、朝の6時前に4人がけがをしている。この記事では、国の通知を配達の仕事に当てはめながら、意識していなかった人間として正直に書く。今日も少しの時間お付き合いお願いします。
結論:国のクマ通知は、配達の仕事にそのまま当てはまる
先に結論を書いておく。
- 国交省の通知は、配達の仕事にそのまま当てはまる。「早朝・夕方の道路沿いに注意」「出会ったら近くの車や民家に助けを求める」。車を降りて玄関まで歩く仕事そのものだ
- オッサンは配達中にクマを意識したことがない。キャンプでは鈴を持つが、仕事では持っていない
- 街にもヒグマは出る。2021年の札幌市東区は、朝6時前の住宅街だった
【オッサンの意見】意識していない人を責めるつもりも、怖がらせるつもりもない。オッサン自身がそうだからだ。ただ、国の文書が「屋外で作業する人」と書いているなかには、配達ドライバーも入っている。そこは知っておいて損はない。
10月7日、国交省が運送業界に「クマに注意」を求めた
通知に書いてあること
【事実】2026年10月7日、国土交通省が事務連絡「クマによる人身被害防止に向けた安全対策等の周知について(依頼)」を各関係団体に出した。全日本トラック協会は10月8日に、会員向けにこれを掲載している。
背景として、こう書かれている。
今年度もクマの出没が各地で相次ぎ、クマの出没情報件数や、死亡者数は例年に比して多く、予断を許さない状況となっております。
そのうえで、周知してほしい内容として5つを挙げている。
- クマの誘引物(放置された農作物やごみ等)を適切に管理する
- 早朝・夕方に、田畑や道路沿いの見通しの悪い場所を通るときは、クマとの遭遇に注意する
- クマの生息域に入る場合は、音の出るものや適切なクマ撃退スプレーを持つ、ヘルメットやリュックを身に着ける
- 出会ってしまったら、大きな声で威嚇したり背中を見せて走ったりせず、慌てずゆっくり移動し、近くの車や民家に助けを求める。それでも襲ってきたら、両腕で顔や頭を覆い、うつ伏せになる
- おもちゃ花火などで追い払うときは、人や燃えやすい物の方向に向けない
出典:国土交通省 事務連絡「クマによる人身被害防止に向けた安全対策等の周知について(依頼)」(2026年10月7日・全日本トラック協会掲載)
日本郵便は去年から「17時以降のバイク配達を見合わせ」
配達の現場では、去年から動きが出ている。
【事実】日本郵便は2025年11月5日に「クマ出没等に伴う業務の見合わせについて」を出している。中身はこうだ。
- 自治体や警察から立ち入り規制などの指示があった場合や、クマを目撃して続けるのが難しい場合は、集荷・配達を一時的に見合わせることがある
- 近くでクマが出ている地域では、原則として17時以降のバイクでの配達を見合わせる
- 車から配達先へ歩くあいだにクマと出会うおそれがある場合は、お客さんの敷地内に車を停めさせてほしいとお願いすることがある
出典:日本郵便「クマ出没等に伴う業務の見合わせについて」(2025年11月5日)
【オッサンの意見】クマで配達を止める。少し前なら考えられなかった話だ。それだけ、配達の仕事とクマの距離が近くなっているということなんだと思う。
正直に書く:配達中、クマが頭をよぎったことはない
クマは見たことがない
ここは正直に書く。
オッサンは北海道で毎日配達しているが、ヒグマを見たことは一度もない。配達中にクマのことが頭をよぎることも、正直ない。
国の5項目は、どれも配達の仕事に当てはまる。それでも、毎日の配達でクマを意識していたかと聞かれたら、していなかったというのが本当のところだ。
キャンプでは鈴を持つ。仕事では持っていない
おもしろいのは、キャンプのときは違うことだ。
キャンプに行くときは、鈴を持っていく。でも、普段の仕事では持っていない。クマ撃退スプレーは、キャンプでも仕事でも持っていない。このあたりはヒグマとキャンプの記事にも書いた。
しかもオッサンは、3年前にヒグマのニュースにビビって、キャンプそのものをやめたことがある人間だ。
キャンプのときはそれくらい気にしているのに、仕事では鈴も持っていないし、頭をよぎることもない。これが正直なところだ。
それでも街にヒグマは出る:2021年の札幌市東区
「街の中なら関係ない」とは言えない。それを見せつけたのが、2021年の札幌市東区だ。
【事実】2021年6月18日の午前6時前、札幌市東区の住宅街の路上で、ヒグマが近くに住む人を襲った。ヒグマはそのまま市街地を動き回り、陸上自衛隊丘珠駐屯地に入るまでに、自衛隊員を含む4人がけがをした。現場はJR札幌駅から約4kmの市街地で、ヒグマはおよそ8時間動き回り、午前11時15分ごろに駆除された。
出典:東京新聞「札幌の住宅地に出没のクマ駆除 自衛隊員ら4人が負傷」(2021年6月18日)/北海道ニュースUHB「札幌・東区クマ襲撃から5年」(2026年6月18日)
今年6月の報道では、このとき大けがをした男性に、今も後遺症が残っていると伝えている。
オッサンもこのニュースは覚えている。自衛隊の人が襲われた件だ。
【オッサンの意見】あらためて見て気になるのは、時間と場所だ。時間は朝の6時前。国交省の通知が「早朝・夕方に被害が多い」と書いているのと重なる。場所は山じゃなくて、住宅街の道路だ。
北海道の「秋のヒグマ注意特別期間」は9月1日から10月31日まで。NHKによると、10月9日までの1週間で、道内では57件の目撃などがあった。前の週より11件多い。
出典:北海道庁「ヒグマ警報及び注意報等について」/NHK「週間道内ヒグマ情報 10月9日までに57件の出没」
国の5項目を、配達の仕事に当てはめてみた
国の5項目を、配達の仕事に置きかえるとこうなる。【オッサンの意見】として読んでほしい。
| 国の通知 | 配達の仕事だと |
|---|---|
| ① 誘引物(農作物・ごみ)の管理 | 配達先の畑やごみステーションの近くに車を停めるときは、周りを一度見る |
| ② 早朝・夕方の道路沿いに注意 | 朝一番の配達と、夕方〜夜の時間指定。 |
| 林や畑に面した家の玄関先 | |
| ③ 音の出るもの・スプレーを持つ | オッサンは仕事では鈴もスプレーも持っていない。持つかどうかは、会社のルールと出没状況しだい |
| ④ 出会ったら近くの車や民家へ | 配達ドライバーにとって一番近い車は、自分の車だ |
| ⑤ おもちゃ花火の使い方 | 配達ではまず使わない |
スプレーの選び方は、環境省の推奨要件をクマ撃退スプレーの選び方の記事にまとめてある。
「車に逃げ込めば安全」とは言い切れない
④の「近くの車に助けを求める」。配達ドライバーは、いつも車のすぐそばにいる。そこは有利だ。
ただ、車も絶対じゃない。
【事実】2026年9月29日の夜7時半ごろ、美深町で、停まっていた軽乗用車にヒグマが襲いかかり、ボンネットが傷ついた。乗っていた人にけがはなかった。
【オッサンの意見】1件の例なので、怖がりすぎる必要はないと思う。外に立っているよりは、車の中のほうがいい。国の通知が「近くの車」と書いているのも、そういうことだ。ただ「車に入れば絶対に大丈夫」とまでは言えない、ということは頭の片すみに置いておきたい。
荷物を受け取る側にお願いしたいこと
ここからは、荷物を受け取る側の人へのお願いだ。
- 「敷地内に車を停めさせてほしい」と言われたら、協力してほしい。日本郵便は、クマとの遭遇が心配な場合にそうお願いすることがある、と案内している。車から玄関までの距離が短いほど、ドライバーは安全になる
- クマが出ている地域では、時間どおりに届かないことがある。日本郵便も、希望の時間帯に届けられない場合や、配達が遅れる場合があると書いている
- 家のまわりの生ごみや、収穫しないまま置いた作物を片づけてほしい。国の通知の1番目が「誘引物の管理」だ。これは、配達する人だけじゃなく、住んでいる人自身を守ることにもなる
宅配の会社ごとの対応は、それぞれの会社の案内を確認してほしい。オッサンが書けるのは、日本郵便が公表している内容と、国の通知の範囲までだ。
ドライバーのほかの事情は、ドライバーのトイレ問題の記事にも書いた。
共存はできない。でも共栄は何とかできればいい
最後に、オッサンの考えを書いておく。
共存はできない。でも、共栄は何とかできればいい。
【オッサンの意見】2021年の東区を見れば、人とヒグマが同じ場所で一緒に暮らすのは無理だと思う。朝6時前の住宅街で、4人がけがをしている。
それでも、クマが全部いなくなればいい、という話でもない。北海道に住んでいる以上、ヒグマのいる土地で暮らしている。同じ場所では暮らせなくても、お互いがそれぞれの場所で生きていける形があってほしい。オッサンはそう思っている。
ヒグマと配達でよくある質問
Q. 国土交通省のクマ対策の通知には、何が書いてありますか?
A. 屋外で作業する人がクマの被害にあわないための注意点が5つ書かれています。2026年10月7日の事務連絡で、誘引物の管理、早朝・夕方の道路沿いでの注意、音の出るものやクマ撃退スプレーの携帯、出会ったときに慌てず近くの車や民家に助けを求めること、おもちゃ花火の安全な使い方が挙げられています。全日本トラック協会も会員向けに掲載しています。
Q. クマが出ると、宅配便は配達されないのですか?
A. 配達が見合わされたり、遅れたりすることがあります。日本郵便は2025年11月に、自治体や警察から立ち入り規制の指示があった場合などは集荷・配達を一時的に見合わせること、近隣でクマが出ている地域では原則17時以降のバイク配達を見合わせることを発表しています。ほかの宅配会社の対応は、各社の案内を確認してください。
Q. 札幌の市街地にもヒグマは出るのですか?
A. 出たことがあります。2021年6月18日の早朝、札幌市東区の住宅街にヒグマが出没し、自衛隊員を含む4人がけがをしました。現場はJR札幌駅から約4kmの市街地でした。
Q. 配達ドライバーにできるクマ対策はありますか?
A. 出没情報を確認し、早朝・夕方は特に周りに注意することです。国土交通省の通知では、早朝・夕方に見通しの悪い場所を通るときの注意や、出会ったときは刺激せずにゆっくり移動し、近くの車に助けを求めることが挙げられています。鈴やクマ撃退スプレーを持つかどうかは、会社のルールや地域の出没状況に合わせて判断します。
まとめ
要点をまとめる。
- 2026年10月7日、国交省が運送業界などにクマ対策の周知を求めた。早朝・夕方の道路沿いに注意、出会ったら近くの車や民家へ
- 日本郵便は2025年11月から、クマが出ている地域で17時以降のバイク配達を原則見合わせている
- オッサンは配達中にクマを意識したことがない。見たこともない。キャンプでは鈴を持つが、仕事では持っていない
- それでも街にヒグマは出る。2021年の札幌市東区は、朝6時前の住宅街で4人がけがをした
- 車は逃げ場になるが、絶対ではない。2026年9月には美深町で停車中の車が襲われている
- 共存はできない。でも共栄は何とかできればいい
今日やること:荷物を受け取る人は、家のまわりの生ごみと、置きっぱなしの作物を一度見てほしい。それが、配達する人とあなた自身の両方を守ることになる。
ヒグマのいる土地で、毎日荷物を運んでいる人間として書いておきたかった。
読んでいただきありがとうございます。

コメント